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Realtime Database と Firestore の比較

はじめに

Firebase には 2 種類のデータベースサービスが用意されています:「Realtime Database」と「Cloud Firestore」です。どちらもクラウド上でデータを保存・同期できるサービスですが、設計思想や使い方に違いがあります。本記事では、それぞれの特徴と違いを比較し、どのような場面で使い分けるべきかを解説します。

1. 基本情報の比較

2. データ構造

Realtime Database は JSON のような「ネストされたツリー構造」を取り、階層が深くなると扱いにくくなることがあります。

Firestore は「コレクション」と「ドキュメント」の組み合わせでデータを管理します。ネストが分離されており、構造が明確でスケーラブルです。

1// Realtime Database の例
2  {
3    "users": {
4      "user1": {
5        "name": "Taro",
6        "age": 25
7      }
8    }
9  }
10  
1// Firestore の例
2  users (コレクション)
3    └─ user1 (ドキュメント)
4         ├─ name: "Taro"
5         └─ age: 25
6  

3. リアルタイム同期

どちらもリアルタイム同期に対応しています。ただし Realtime Database は元々リアルタイム用途に特化しており、通信速度や応答性ではやや優れています。Firestore もリスナー機能によってリアルタイム更新が可能ですが、通信頻度が少ない場合に向いています。

4. 書き込み・読み取りの制御

Realtime Database は `.read` や `.write` のルール設定が階層単位で行われます。一方 Firestore はより細かく、「ドキュメント単位」での制御が可能です。セキュリティルールの柔軟性では Firestore の方が優れています。

5. クエリ機能

Firestore は複雑なクエリ(ソート、複数条件、インデックス化など)に対応しており、検索機能も豊富です。Realtime Database はシンプルな検索には対応しますが、複雑なクエリや複数条件の検索には向いていません。

6. 料金モデル

Realtime Database は「データの転送量」と「同時接続数」に応じた課金モデルです。一方 Firestore は「読み取り・書き込み回数」や「ストレージ容量」で課金されます。

リアルタイム通信が多いアプリでは Realtime Database、アクセス頻度が低いデータベース用途では Firestore の方がコスト効率が良い場合があります。

7. オフライン対応

Firestore はデフォルトで Web やモバイルでもオフラインキャッシュに対応しており、再接続時に同期されます。Realtime Database もオフライン対応していますが、Web では手動設定が必要になる場合があります。

8. サーバーサイドとの連携

どちらのデータベースも Firebase Admin SDK を使ってサーバーサイド(Cloud Functions や Node.jsなど)から操作できます。Firestore の方がドキュメント単位で扱えるため、データの整合性を取りやすいです。

9. 使用シーン別のおすすめ

まとめ

1Realtime Database:
2  - ツリー構造
3  - 高速なリアルタイム通信
4  - 制御がやや難しい
5
6Cloud Firestore:
7  - ドキュメント指向
8  - クエリとセキュリティが柔軟
9  - スケーラブルで保守性が高い
10

どちらも強力なサービスですが、アプリの性質や将来的な拡張性を考えて選ぶことが大切です。

本アプリでは、データベースのサイズが比較的小さく、読み書きの頻度が多く、リアルタイム性を重視しているため、「Realtime Database」を採用しています。

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